気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる隙間の世界です

2019-01-01から1年間の記事一覧

6という数字に好かれている様だ

私はまるで、クトゥルフ神話TRPGの狂気表の中から6番を引いたような奴だな。と思う時がある。 そういえば、私が生まれた月、日、時間。の中に6の文字が一つずつ入っていて、6が三つ並ぶな。

ピンク色の扉

あなたの目の前にはピンク色の扉がある。 どうやらこことは違う場所に繋がっている様だ。 もちろん、あなたはここから立ち去ってもいいし、扉を開けてみてもいい。 しかし、もしも扉を開けるのであれば、そこには知らなくてもいい光景が広がっているかもしれ…

一度壊れた物は元通りにはならない

BBSを見ていた時の事だ。 人間の体は機械と一緒で、壊れないように定期的に検診したりバランスの良い食事を取る事が肝心で、一度壊れると元に戻すのは難しい……という様な事が書かれていた。 確かにその通りだなと思ったし、それと同時にこれは精神面にも言え…

生かすだけの医療

私の母親は死んでいる。私が二十代の頃に自殺した。 だけど私は母親の没年月日をよく覚えていない。覚える気がないのか、元々そういった事を覚えるのが苦手なのか、その両方かは知らないが、私にとって母とは、死んで悲しいと思えるほどの価値もない程度の存…

幼稚園の頃に親に当てた手紙

幼稚園の頃、確か母親に手紙を書こうみたいなのがあり、何か書いた覚えがある。 しかしそんな事などすっかり忘れたある日、手紙を見る機会ができ読んでみると、「黄色いスイカが食べたい」という事が書かれていた。 私は昔から食べ物が好きなようだ。 だが、…

終活

私の終活歴は長い方だと思う。何せ十代後半の頃からやっていたのだから。 とは言っても初期の頃やっていた終活は、はいつ死んでもかまわない様、死んだ後の遺品整理が楽な様、とことん物を捨てまくっていくタイプのものだった。 私が死んだ後、親が私の写真…

失恋

私が社会復帰に向けてやたらと頑張っている頃、六歳ほど年上の人と知り合った。 彼はやたらと優しくて、私の行きたい場所には結構な遠出でも連れて行ってくれたし、買い物の為に車を出してくれたりもした。 そして費用はいつも彼持ち。 このままでは申し訳な…

ファーストキス

私のファーストキスは、相手が人間ならば父親が相手だった。 理由は至って健全的なものだ。 父親と姉が、母の色付きリップクリームを塗っていて、「これは口紅じゃないよ」なんて言う父親を見ていたら、何となく「キスしてあげようか?」と言ってしまったの…

守護霊

BBSのオカルト板を見ていたら、自分一人でできる守護霊の確認方法という物が書かれていた。 しかし、こういう場所に書かれている事はうっかり行うと、催眠術的な要素で危ない事などもあるだろうと思い、まずは自分でできる守護霊の確認方法をネット検索で確…

ブランド

私はかれこれ十年以上、自助グループで手芸品作成をしてきた。 だが、そろそろやめようと思う。 理由は、色々な事が重なり、とにかくやる事を少しでも減らして負担をなくしたい。とか、スタッフとの信頼関係の問題等、事情があるからなのだが、昔から抱えて…

子供の頃の悪癖

私は幼稚園くらいから、ある悪癖があった。今でも若干『それ』はあるが、これは既に悪癖ではなくなっている。 ちなみに、どうやって『それ』を覚えたのかは定かではない。見て覚えた、とかではないと信じたいが……。 しかし、この悪癖が関係する出来事なら今…

他人を変える事はできない

点字入門書を支援事業所に預けた。私はこの本をもう何年も見ていないし、今後も使う用がなさそうだからだ。 元々この本は、父が緑内障でいずれ目が見えなくなると知った時に購入した物だ。少しでも父の役に立つことをしたいという思いから。 とは言っても最…

人間嫌いで中途半端な存在

この世界……この国に、だろうか? ともかく、この社会において私が無理なく生きていけるスペースはほとんどないんだろう。 私は人間を嫌い、憎悪する。それは他人と関わる度に強くなっていく。そんな事が何度も繰り返されているからだ。 他人という存在は私に…

一番古い記憶

私の一番古い記憶は、赤ん坊の頃に計りに乗せられた記憶だ。 そこには私以外にも赤ん坊が沢山居て、私は大人に持ち上げられて計りの上に載せられた。 計りがグラグラ揺れて、不安定で怖かったのを覚えている。

子供の頃の夢

幼稚園の時、誕生日のたびに聞かれた「将来の夢」は、いつも適当に答えていた。 あの頃は特に大人になったらなりたい事なんてなかったし。 ちゃんと、将来の夢。という物が出てきたのは小学校高学年くらいからだ。 私は主婦になりたかった。 私と、旦那さん…

子供の頃に1度だけ見た夢

幼稚園の頃、ある夢を見た。 私は夢の中で、家の近くの場所に立っていた。 そしてこう思ったのだ。 『○○ちゃん(私の名前)は可哀そうだな。宇宙人に取り替えられちゃったのに、あの両親はその事に気が付かなくって』 と……。 その夢はたった1度だけ見た子供…