幼稚園の時、誕生日のたびに聞かれた「将来の夢」は、いつも適当に答えていた。
あの頃は特に大人になったらなりたい事なんてなかったし。
ちゃんと、将来の夢。という物が出てきたのは小学校高学年くらいからだ。
私は主婦になりたかった。
私と、旦那さんと、子供達で一緒に暮らす。
何にもなくていいし平凡で構わないから、そんな家庭を持ちたかった。
小説家にもなりたかった。
それは本が好きだから。という、よくあるらしい理由ではなくて、お話を頭の中で考えるのが好きだから。という理由だったけど。
だけど、どちらの夢も私には叶える事ができないと知った。
気が付いてしまった。
嫌でも痛感してしまった。
だから私は諦めた。
ただ、BBSを見ている時に『子供の頃の夢はまるで呪いだよ。諦めたくても諦められない』
なんてレスを見た事があるけど、確かにそうだな。と今でも時々感じる。
でも、幸か不幸か叶った将来の夢もある。
それは『遊び人』だ。
本当の意味での遊び人ではないし辛い記憶が多いけれど、見方を変えれば私は適当に、だけどちょっとした遊び心と本心で言った『遊び人』になったと言える。