気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる隙間の世界です

工場清掃の体験実習①

 一般枠の求人からも精神障害者である事をオープンにしつつ仕事を探し、ついにある工場の清掃業務で見学からの体験実習ができる会社が見つかった。

 求人内容は支援員達と相談して決めた条件を満たしているし、その会社は私の利用する障害者就業センターを介して身体障害者の受け入れもした事がある所だ。

 ただ、私は精神障害者である事と、清掃員は2人しかおらず、そのうち1人が辞めた為の欠員募集で、残った10年ほど勤めている人が私に仕事を教えてくれる手筈だが、その清掃員についてワーカーさんが仕事が慣れている人か聞いたら、担当者がそうでもないみたいな微妙な反応を示していた事。

 それに実習先の割と偉い役職の人が、就労移行支援の私の担当さんと仲が良い人だったのも、断る所で断りづらくなったりと、こういう場面では悪い効果も出る可能性があるから、不安要素としてあった。

 だけどそういうの含めて体験実習をしてみれば色々見えてくるし、やっと条件の揃った会社を見つけられたから、喜んで見学の時に体験実習を決めて手続きをしてもらった。

 それと、一人でやるタイプの実習は2~3回目程度で、そのどれもがA型・B型とかだったから、とにかく実習までストレスが掛からないようにコンディションを整えて、注意して実習当日、会社に向かった。

 

 あと一応書いておくが、職場の体験実習は、体験実習をした=この会社に就職する。ではない。

 体験実習の後に、実習生や会社が無理そうだと判断すれば断る事もできるもので、あくまで、

『自分が今後この会社に勤め続けられるか、会社が今後この人材を社内に置いておけるか見極める為の時間』

 だ。

 余談だが、私は『会社側が実習後に雇用したくないのに断りづらかったらどうしよう!』と不安になったが、ワーカーさんがその辺りも会社側に丁寧に説明してくれていた様で安心していた。


工場清掃の体験実習②