気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる隙間の世界です

就職活動

 親から離れて暮らして五年ほどで、住んでるアパートの周りの清掃を割と定期的にしている時、ふと『あれ? 私、就職できるんじゃね?』となって、今までになかったほどの志で就職を目指し、支援事業所に通った挙句、精神力をゴッソリ削られた三十代前半。

 あの出来事から一年ほど家で大人しくしていたのだが、色々あって『何もしないで後悔するよりは、何かして後悔しよう!』と、私が通う事ができる範囲にあるが、まだ見学すら行った事のない就労移行支援事業所に見学に行って通う事にした。

 そこは『初めからここに来ていたら、もう少し私の人生も変わっていたかな?』と思える程度の良い場所だったよ。

 職員さんはちゃんと仕事をしてくれたし、むしろどうして相談支援事業所のワーカーさんは、私が通っていた場所以外にこっちの見学もさせてくれなかったんだろう。って思う程度にいい所だった。

 でも、この事業所が先でも多分就職は無理だったと思うけどね。

 だって私の思考回路はまともではない。

 そのお蔭で仕事、というか主に職場環境をかなり選ぶ事になるし、A型B型にはまず入れない。

 だって、就労移行ですら通えなくなってきて、慌てて自分に適した職場環境に移動するために具体的な就職活動を始めたくらいなので。

 しかし私は、学力は低く、車がないと不便な地域だが自動車免許も持ってない。そして、どんな仕事であれ即戦力になる可能性も低く、むしろ教育に他の人より時間が掛かるし神経も使うと思う。

 という状態な上、私の住む地域は普通の求人もそうだが、障害者求人はそれに輪をかけて少ない。

 更にその中には『精神はお断り』という、オープンにされていない条件もある状態だった。

 こんな状況では就労移行に通えなくなる前に、就職はできない。

 となり、結局障害者就労センターのワーカーさんの協力の下、『範囲は通勤に片道約30分以下で行ける場所、交通費が掛かるなら交通費が出る所』という条件で一般枠の求人の中からも、障害者である事をオープンにして見学からの体験ができる会社を探す事になったよ。

 更に、私の考えや就労移行の担当職員さんのアドバイスにより、『やり方の確立ができているだろう、設立されてある程度年数がたっている会社、社員の大半が女性ではない会社』も加えて。

 

 全部無駄に終わったけど。