気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる隙間の世界です

母親が落ち着いて行動できてなかったって話

 幼稚園の運動会の時、親子でおにぎりの模型が置かれた紐付きプレートをゴールまで引っ張って行くゲームがあった。

 それは、親は大きいおにぎり。子供は小さいおにぎりを引く。

 というゲームだったのだが、私達の番が回ってくると母親が慌ててしまい、小さいおにぎりが乗ったプレートの紐を持ってしまっていた。

 なので私は『逆なのになぁ』とむしろ冷静に思いつつ、慌てる母親に言葉が掛けられなかったのもあり、大きいおにぎりプレートの紐を持って走った。

 

 という事があった。

 

 ただ、この時以外でも似たような事はあったのか、いつしか私は母親の事をこんな風に評価していた。

『子供っぽくて冷静に物事が対処できない人』

 

 だから学校で嫌な事があっても、先生が親を呼ぶような事はしないでおこうと思うようになっていた。

 だって、母親が対処できなくなるのが目に見えてたから。

 

 まぁ、先生が親を呼ぶくらい教室で暴れてやりてぇな。

 とか思ってる小学生(女児)っていうのも、なんだかなって感じだけどさ。