気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる隙間の世界です

農業における深刻な問題

 私は農業が割と好きである。

 就労移行支援事業所に通っている時や、A型事業所などの体験実習中に1日~数日、農作業を体験をさせてもらった。

 しかし私には体力がない。

 なので私は軽めの作業を主にやって、肉体動労は、農家さんや私と一緒に体験をしていた男性の方がしてくれた。

 そして夏場の暑い日の作業も数時間だけ体験させてもらえたが、農家さんが気を使って途中で休ませてくれたりした。

 だから、そう思えるのだろう。

 しかしそんな軽めの作業を経て農業に興味がある私を、悩ませる深刻な問題があった。

 そう、それは……。

 

 トイレだ。

 畑にはトイレがない。

 もちろん仮設トイレが設置されている場合だってある。

 しかし私は汚いのとか苦手なので、多分使えない。(というか、ビビッて使おうとすらしない)

 ついでに私は、和式トイレは既に使えない体になっている。

 なので、農業体験をさせてもらった時は、コンビニでお昼を買うついでにトイレを使わせてもらっていた。

 でもそれでは、緊急時に車に乗って近くのコンビニトイレにまで向かうとなった場合には危険である。

 トイレは必ずしも空いているとは限らないし、移動までに車で10分掛かる場合はもう手遅れになっている可能性もある。

 

 というトイレ問題が発生したのだが、そもそも私は車も車の免許もない。

 今までの農業体験時は、施設のスタッフの方に車で畑まで送ってもらい、一緒に作業をやっていたのだ。

 即ち、トイレの問題に加えて、移動手段の問題もあるという事である。

 

 そして私は思うのだ。

 清潔なトイレが付いたAI自動運転機能付き(搭乗者は免許なしでOK。つまりタチコマレベルのAI)キャンピングカーさえあれば勝てるのに。

 と……。

 もしくは住宅地から畑までの送迎と、畑に等間隔でロッジみたいな物が完備されていればよいのだ。

 それさえあれば多分勝てる。

 

 しかしそれでも尚、体力がない問題も残っている。

 もちろん作業をやっていく内に徐々に慣れていくとは思うが。

 

 ただ、ここまで考えると私はこう思ってしまう。

「もうこれ、ロボットにやらせればよくない?」

 と。

 そして、「いつか、無機質ロボット君と農業できたらいいな~」とか企んでしまうのだ。