気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる隙間の世界です

幼稚園の頃に書いていた仮の夢

 誕生日が迫ると聞かれる将来の夢は、いつも適当に答えていた。

 適当に頭に浮かんだものを言うか、将来なりたい物一覧イラストみたいなのを見せられ、先生に指を差されて聞かれたので、適当に頷くかしていた。

 

 ちなみに将来なりたい物一覧イラストで選んだのは、お嫁さん。

 適当に頭に浮かんだ物を言った時は「リボン屋さん」だ。

 あの、頭とかに結ぶリボンね。

 でも先生は何故か「本屋さん」と言い換えて、私は当時心の中でおかしいなぁ。

 とか思っていた。

 リボン屋さんという実在しそうにない店を言い換えるなら、「アクセサリーショップ」とかの方が正しいしね。

 が、それから数年後、先生が何と勘違いしていたのか分かった。

 あれだ、私が言った「りぼん」は、少女漫画雑誌で集英社から発売されている『りぼん』だと思っていたんだな。

 でも私、講談社の『なかよし』派だったんだよなぁ……。