気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる隙間の世界です

火災未満

 私は小学生~中学生の時、木造アパートに住んでいた。
 そして寒くなると石油ストーブを使っていた。

 ある日。

 母は雨の日などで洗濯物を室内干しする時ストーブの上に洗濯物を干す事もあったのだが、その日もそうしていた。

 しかしその日はいつもと違った。

 しばらくして私が焦げ臭い臭いに気が付きストーブを見ると、洗濯物が落ちるかストーブに接触するかして焦げていたのだ。

 もちろん私がすぐに気が付き母に報告もしたので、火事にはならなかった。

 

 それから歳月は経ち私が10代半ばから後半の頃。

 母親はガスコンロの周囲に油跳ね防止などで使うレンジガードを設置していたのだが、更にそれにアルミホイルでカバーをしていた。
 そしてその状態で私がコンロを使っている時、アルミホイルにガスコンロの火がついて燃えてしまった。
 私は慌てながらもガスコンロの火を止めてアルミホイルに移った火も消したので、大事には至らなかったが。

 この時母親は外出中だったので帰って来た時に慌てながら
「ファイヤーパニックになっちゃったよ!」
 などと言ってあった事を報告し、レンジガードにアルミホイル張り付けるのはやめてと言った。

 でも母親はへらへら笑ってるだけだったよ。

 私は本気で怖かったんだけどね。言い方が悪かったかな?

 

 あと、私がいなかったら案外私の家族は比較的早い段階でこの世から抹消されていたのでは?
 と思ったのだが、実際どうなるかは分からない。