気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる、隙間の世界です

箸の持ち方

 正直食えればそれでいい。

 美しさも礼儀も雅もいらねぇ。そんな社会常識にとらわれた概念の外側に私はいるからな!

 とか思っている訳ではないが、時々無性に馬鹿らしくなってくる時はある。

 酷くくだらない事に振り回されてるな、とか。

 まぁその辺りは『価値観なんぞ並列化はできない』という事にして一旦置いておこう。

 

 私は成人を超えても、箸がきちんとした方法で持ててなかった。

 小学校の頃同級生に指摘され、それを家族に報告した所「お母さんもちゃんと持ててないから」と言われて終わった。

 ちなみに父親と姉はお手本通りに持てていた。

 

 私もそういう事を気にする性格ではなく、そもそも箸の持ち方以前に社会に出られないというもっと深刻な状態も発生した為、30歳を超えてもマイルールな持ち方のまま過ごしていたのだ。

 ただ2人目の姪っ子が生まれて、幼稚園か保育園で箸の持ち方を教わっていると上手に持ってるのを見せてもらった時、私も頑張ろうと思って猛特訓を始めたが。

 その結果、案外あっさり正規の持ち方ができた。

 今では長年慣れ親しんだ持ち方が、できなくなるくらいになっていた。

 だけど、やっぱり時々無性に無意味に感じる。

 多分それは、私が頑張ろうとした理由にあるんだろうな。というのは分かるのだがな。