気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる、隙間の世界です

いたずら電話

 私が17歳くらいの頃に、姉に対していたずら電話が掛かって来ていた。

 その時姉は19歳くらいで、彼氏が経営していた懐石料理店でバイトをしていたのだが、バイト先にも掛かって来ていた。

 内容は姉と「海に行く約束をした」とかそういう物で、当時ナンバーディスプレイが普及し始めた頃、早速導入した我が家に電話番号を開示して掛かって来ていたよ。

 

 そして家族の中で一番キレたのも、行動力があったのも私だ。と思う。

 あんな家族でも、当時は守るべき対象だったんだよなぁ……。

 なんで、電話番号が同じ市内だったから、電話帳で片っ端から同じ番号を探した。

 そして同じ番号を見つけたよ。

 それは警察署近くのとある小さな工場だった。

 それから芋づる式に色々繋がって、その工場はどうやら車関係の大きな会社と取引がある様な場所で、イタ電してきた理由も大体察しがつき、イタ電してきた奴らは当時27歳くらいで、もしかしたらとあるスナックで、姉と顔見知りになっていた可能性があるやつかもなって事も予想が付いた。

 

 けどそれっきり。両親は警察に相談したか怪しいっていうか、多分してない。

 イタ電してきた連中もなぁなぁで済ませたみたいで、少なくとも当時引きこもりな私が知る限りでは、謝りにも来なかったし菓子折りも送られてこなかった。

 まぁ、私は家族にとって詳しく説明をする価値の無い子だったから、何か進捗があったって知らされない可能性の方が高いわけだし、当時もこの事に関して途中からハブられてた感があったし、私一人が犯人が分かった後どうなったか、真相を知らない可能性がある訳だが。

 

 それはさて置き。

 私はね、問題ってある程度時間がたてば解決できると思っているよ。

 でもそれは、きちんと礼儀に則った行動をしてからだ。

 罪を認める、謝る、罪を償う為に今後どうするか考え提案する。

 それらが一切できない人間を、私は許す事はない。

 私はそこまで『良い子』じゃないよ。

 まぁ別に私、そういう事を胸張って言えるほどできた人でもないし、人間なんてそんなもんだと思うからどうしようもない事だとも思うけどね。

 しかし事実が知りたい私に対し「○○(私)は、事情を聞いたら逆上するでしょ」と真相を有耶無耶にして煮え切らない状態で放置した父親は恨んでるけどな。

 

 所で、そんなイタ電から数年後、リーマンショックか何かが起きて何処の会社も大変になったようだね。