気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる、隙間の世界です

都合のいい道具

 家族四人で暮らしている時、元カレ(この時は彼氏だったかもしれないが)が社長をしている料理店で働く姉の収入が百万を超え、このままでは収める税金が多くなるという事態になった。

 そして勤め先の社長の計らいで、引きこもりでリストカットが始まっている私が働いている事にして、所得を誤魔化す話がでてきた。

 両親も姉もその話に乗ったし、私も「家族がそう言うなら」状態で深く考えずに話に乗ってタイムカードに数字を書いていった。

 

 しかし本能的に何かを感じたのか、「こんなの書いても私が給料もらえてるわけじゃないのに!」とある日キレ、それから少なくとも私はタイムカードに数字を入れなくなった。

 多分その後も、実際は私は働いていないのに働いた事にしていたと思うけど。

 そしてこの行為が「犯罪なんじゃ?」と思うようになったのは、結構後だ。

 

 それが許される時代だったのか、今でもそんな感じで緩いのか私には分からないが、取り合えず所得隠しをした一人である姉は、二度目の結婚で警察官と結婚したよ。

 時々何となく、矛盾的な感覚を味わうけど、多分大した事ではないのだろう。

 

 ちなみに「あれって犯罪だよね?」と、馬鹿が馬鹿なりに思い至った後、長い事この事を思い出しては警察などに相談しておこうか迷っては止め。

 を繰り返していたが、事が起きて十数年たった後、あの家族達に気を使う必要、なくね? というか、むしろ会社側の方に気を使ってるけど、それする必要もなくね? となり、県警に相談はしておいた。

 時効だったし、私が言ってる事を向こうが信じてくれたか分からないけどね。