気が付かれなかった取り替え子

ここは、とある人物の出来事が手記として現れる、隙間の世界です

老人ホームの清掃③

老人ホームの清掃② 

 その日は体調不良で休んでいたもう一人の実習生も参加していた。 

 そしていつも通りに作業に入ろうとしたら清掃をしているおじさんに呼び止められ、何か言われ続けた。

 話がうまく呑み込めなかったが、私達の清掃にケチをつけている事、しっかりしろと叱られているという事を段々と理解した。

 ちなみに私達は、電動ベッドが持ち上がらずベッド下を掃除できない、入居者がいる等でどうしていいか分からない所は特にいじりはしなかったが、言われた事はちゃんとしていた。

 しかし相手は私達が教わった以上の事を要求してきた。

 しかも、私達は男二人と女一人(私)のグループなのに、わざわざ私をつかまえて延々と説教する。

 そのお蔭で業務に入るのが遅れたし、叱るくらいなら一緒について回って作業を教えて欲しかったよ。

 そしてその後、私に説教食らわしてきたおじさんに、教育されているらしい様子の女性が現れた。

 この人は一週間ほど付き添ってもらったようだが、仕事がまだよく分からずに体力もまだ付いていないのに男並みの体力を要求され、ひどい目に遭っていたようだが、それよりなりより、私達の事を『プロの清掃業者』と勘違いしていた事は驚きだった。

 なんでもおじさんに『プロが来ているから仕事を教わってこい』と言われたそうだ。

 

 そう、この老人ホーム、業務員に障害者の体験実習性が来る事をきちんと伝えていなかった。

 だからおじさんと女性は、私達が一週間どころか一日だって一緒に業務をし、仕事を教えてくれる人がいなかった事、今はまだ雇用契約を結ぶ前なので、無給で働いている事でさえ分かっていなかったよ。

 その後Aさんは折を見て女性とおじさんに自分達がどうしてここに来ているか説明してくれて、取り合えずその日は終わった。

 そして私の体験実習も終わった。

 情報の共有ができていない(危険情報も共有できない可能性がある)、体験実習中ですら教育を行き届かせる事ができない、個人の能力に合わせた教育ができていない。

 という会社だと判断したし、あの会社に私の様な人はさばけないと感じたから、予定より早めに切り上げたからね。

 それと、もう一人の実習生もすぐにやめ、数か月後に別の場所に就職し、そして私がこの就労移行に通っている間は誰もあの老人ホームには行かなかった。

 

 そして、ついさっき知ったのだが、この老人ホーム事件を起こしてるね。