私は『スパイラル~推理の絆~』という作品が大好きで、漫画も小説もアニメも全部見ていた。
その中で、今でも印象的な話の一つに、事故に見せかけ人を殺すトリックがある。
それは小説版スパイラルに載っていた話で、『浴槽の花嫁』という単語もそこに出ていた。
トリックの内容は、殺したい相手が事故に遭う確率を上げるというもので、藤子・F・不二雄さんの『コロリ転げた木の根っこ』みたいな感じ、と言えば伝わるかもしれない。
殺したい相手の周囲で何かの拍子に事故死してしまいそうな事を故意に増やしていき、上手くいけば自分の手を汚さずに事故に見せかけた殺人が完成される。
しかしこのトリックはすぐに効果は出ないし、もしかしたら殺したい相手が罠に掛からずに寿命を迎える可能性もある、はっきりとした結果が出るか分からない方法だ。
だけど、確実でなくてもいいのなら安全で気軽に使えるトリックな気もする。
そしてこのトリック、実は実際に使われていて、しかも人個人単位ではなくもはや国家単位で日常的に行われているのかもしれない。などと考える時も私にはある。
例えば人から余裕を奪う行為。
余裕を奪われた人々は、普段は注意できていた事も注意できなくなる。結果的に事故を起こす確率は上がる。
もちろんその考えは、オカルトや都市伝説が好きな私だからこその発想であり、事実ではない。
しかし『バタフライエフェクト』なんて言葉がある。
ほんの些細――悪意が有る・無いに関わらず――な事の積み重ねで、とんでもない未来や結末を迎える可能性もあるのかもしれない。